改正男女雇用機会均等法 セクハラ、募集採用、間接差別 男女雇用機会均等法の落とし穴



セクハラ

セクハラが規定されている法律「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」、いわゆる男女雇用機会均等法が施行されてから20年以上がたちます。身体への不必要な接触や性的関係の強要など、犯罪行為とも言えるようなセクハラは減ってきているように見えます。しかし、女性社員のセクハラに対する悩みは尽きないようです。そうしたセクハラの問題について、いまだに勘違いしやすいのが、どういった場所での問題行為がセクハラに該当するのか、ということです。

男女雇用機会均等法が規定するセクハラとは、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行なわれ、それを拒否したことで解雇、降格、言及などの不利益を受けることや、性的な言動が行なわれることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること」です。

では、ここでいう「職場」とは、どのような場所が含まれるのでしょうか?真っ先に思い浮かぶのは、自分の会社の中、つまりオフィス。しかし、法律が想定している職場は、オフィスにとどまりません。顧客へのプレゼンテーションの内容を事前に確認するために立ち寄ったコーヒーショップ、出張で移動中の新幹線の車中も、「職場」とみなされるのです。

社内、というイメージを持つと勘違いします。会社の業務で行く場所は、すべて職場なのです。となると、アフターファイブに行なう部や課の宴会であっても、仕事の反省会など実質的に職務の延長線上であれば、「職場」とみなされます。

そして何よりも見落としがちなのは、取引先や顧客の事務所や自宅です。事務所の中にヌードポスターが貼ってあったり、顧客から下ネタを聞かされて不快な思いが募り、本来の能力が発揮できないような場合、セクハラで訴えてくる恐れがあります。最悪の場合はそれが原因となって、貴重な戦力であるスタッフ、そして取引先や顧客まで失いかねない。だからこそ、上司はオフィスの外の「職場」にも十分に目配りしておく必要があるのです。

セクハラで裁判沙汰になった場合、まず会社側が問われるのが、労働契約上の安全配慮義務違反です。さらに、セクハラで退職すると、再就職が困難な場合もあり、本来受けるべき給料と、実際に得られた収入の差額分を支払うように民事裁判で訴えられることもあります。1年分を補償すべきとした例も多く、少しづつ高額化する傾向にあるので注意しましょう。

また、民法の不法行為で規律される一般的なセクハラの問題も忘れてはなりません。学校でも先生と生徒、デパートでのお客と店員、飛行機の中の搭乗客ととキャビンアテンダントなど、問題となる場面はどんどん拡大しています。何か相手に不快感を与えるような行為があると、すぐにセクハラで糾弾の対象となるのです。
 
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募集・採用の男女差別

今回の男女雇用機会均等法の一番大きな改正点は、性別による差別禁止の範囲が拡大されたことです。実はその中には、男性に対する差別も含まれているのです。

これまで男女雇用機会均等法は社会的に弱い立場にあった女性を保護することに主眼がおかれていました。しかし、まだ少数とはいえ、経営幹部への女性の登用も進んでいます。これまでの「男性=強者、女性=弱者」という職場でも立場が逆転し、そこでセクハラが問題となるケースが出てこないとも限りません。

今回、男性に対する差別禁止を含めたことについて多くの法曹関係者は「社会情勢の変化を先読みした事前の措置」として捉えています。

同時に、改正に伴って厚生労働省が具体的な「指針」を示したことも大きな特徴となっています。指針とはいえ、裁判官が判決を下す際の基準となる公算が大きく、内容をチェックしておく必要があります。

そんな指針のひとつに、募集・採用に関するものがあり、「一定の職種について、募集または採用の対象を男女のいずれかのみとすること」や、「男女のいずれかをあらわす職種の名称を用い、または『男性歓迎』『女性向きの職種』などの表示を行なうこと」は、男女雇用機会均等法第5条で禁止されるものとえいて例示されているので、注意しなければなりません。

さらに今回改正された男女雇用機会均等法は職場におけるセクハラ対策として、会社側に雇用上必要な「措置」を講ずることを義務付けています。「配慮」することを義務付けていた改正前よりも厳しくなりました。

具体的な「措置」は下記の9項目です。

1.セクシャルハラスメントの内容・セクシャルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、周知・啓発すること

2.行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則などに規定し、周知・啓発すること

3.相談口をあらかじめ定めること

4.窓口担当者は、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。

5.相談の申し出があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認すること

6.事実確認ができた場合は、行為者および被害者に対する措置をそれぞれ適切に行なうこと

7.再発防止に向けた措置を講ずること

8.相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を工事、周知すること

9.相談したこと、事実関係の確認に協力したことなどを理由にとして不利益な取り扱いを行なってはならない旨を定め、周知すること
 
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間接差別 転勤など

転勤」を昇進の条件にする会社はいまだに多いようです。そうした中、今回の男女雇用機会均等法の改正で「間接差別」が明確に禁止されたことは大きな意味を持ちます。

確かに、結婚を理由に退職を強要したり、男女別の定年制を儲けたりといった、あからさまな差別は激減しました。しかし、女性にとって難しい条件を課すことによって、採用や登用をしなくて済むようにする「間接差別」が横行するようになってきました。そこで頻繁に利用されてきたのが「転勤」なのです。

今回の改正に伴って厚生労働省が省令で定めた、間接差別として禁止される具体的な措置の内容には、下記のものがあります。

1.労働者の募集・採用に当たって、労働者の身長、体重、または体力を要件とすること

2.コース別雇用管理における「総合職」の労働者の募集または採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること

3.労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること

どれも合理的な理由がない場合に禁止されます。たとえばトラックの輸送業務などで、通常必要とされる筋力よりも強い筋力があることを、募集や採用の要件にしてはいけません。広いエリアに支店や支社を持っていないにもかかわらず、転居を伴うような転勤募集や採用の条件にしてもいけません。また、改正された男女雇用機会均等法では従来の、「募集・採用」「配置・昇進・教育訓練」「福利厚生」「定年・解雇」に加えて、「降格」「職種変更」「パートへの変更など雇用形態の変更」「退職勧奨」「雇止め」についても、性別を理由にした差別が禁止されました。ここでいう「雇止め」とは、パート契約期間満了の際、契約の更新を拒否することです。雇用のすべての局面で差別が禁止されたといってもよいでしょう。

営業成績が悪い社員を降格処分にするのはよく聞く話ですが、男性社員については営業成績が最低ランクの社員だけ対象とし、女性については営業成績が平均以下の社員を対象とした場合は差別とみなされます。いま一度、課長、部長など各階層における男女の比率を洗い出してみて、もし偏りがあるのなら、公平に機会を与えてきたか、合理的な説明ができるかを検証してみることが、まずは重要ではないでしょうか。
posted by セクハラ | 改正男女雇用機会均等法

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